Music Characters

 


「ポップスターの悲劇」其の2 (悲しきスーパースター)の巻

6月26日の昼下がり、何の気なしにテレビをつけたところマイケル・ジャクソンが25日に急死(変死)したとの訃報が飛び込んできました。これには多少の驚きもありましたが、元来がチョッとばかし世の中を斜めに見る性格の私としては、心の片隅では今度はマイケルか・・・・という何とも冷めた思いでこのニュースを視聴していました。というのは、黒人の人気アーティストで不慮の死(変死)を遂げた人物は過去にもケッコウいて、このマイケルの急死も(私的には)何やら起こるべくして起こったという感じだったのです。
でっ、過去に急死(変死)した人気黒人アーティストって一体誰 という方に・・・・、その代表格(故人の遺族の方々には失礼)を挙げてみましょうかね。
まずはマーヴィン・ゲイですが、この人はデビュー当初のマイケルと同じモータウンレコードの60年代〜70年代の看板スターで、80年代に入ってからはCBSに移籍して人気を博したシンガーです。
モータウン時代には「WHAT‘S GOIN’ON(71)」というソウルミュージック史上に名を残す名盤を発表して、白人ファン層にもアピールしました。80年代には「セクシャル・ヒーリング」などというヒットを放ち、セックス・シンボルとして当時のマイケルやスティービー・ワンダー等よりも人気のあった人です。彼の魅力は独特のファルセット()ともいえるヴォーカル・スタイルと、そのどことなく翳りを持った脆さにあるのでしょう。
上記の「WHAT‘S GOIN’ON」では反戦や環境問題、人種差別等を取り上げメッセージ色を強めていましたが、いつの間にかセクシャルな魅力で売るポップシンガーになっていました。彼は1984年4月に自宅で実の父親(牧師だったという)により射殺されました。享年45歳でした。この原因は、この時期極度のジャンキー(薬物常用者)であったマーヴィンの行動が目にあまり、止むを得ず父親が射殺したとのことです(ただの口論であったとも云われている)。この時の父親の気持ちはいかばかりであったかと思いやられます。



terada-saurus
<生態>
●俗名:テラダザウルス(爬虫類ではありません。いちおう霊長類の仲間です。)
●別名:ミスター パラドックス
●生息地:夜の盛り場、主に歌舞伎町あたり。
●習性:もちろん夜行性。チェック柄の擬態で人の目を惑わす。
●性格:良く言えば凝り性、実態はかなりの粘着質。パラノイア()とも・・・・・。
●血液型:・・・謎。
●年齢:不明、気は若い。
●特技:毒舌(始まったら止らない独断場)。
●苦手なもの:ゴマすり、お世辞。(するのも、されるのも)
●飼育上の注意:できるなら近寄らない方が無難。ハマる覚悟が必要。

 
70年代には、「パープル・へイズ」や「フォクシー・レディー」等のヒット曲を持つ天才ミュージシャンで、全世界のロックファンを驚喜させたジミ・ヘンドリックスが急死(変死)しています。ジミはアメリカ人でありながら、ロック先進国であるイギリスに渡りブレークしたロックギタリストで、そのギタープレイはまさに独創的でエキセントリック。この時期のロックギタリストの誰もが驚きと羨望のまなざしで彼を見ていたと云います。クラプトンやジェフ・ベックなどは彼のプレイを聴いて廃業を考えたと言う程でした。ジミは黒人でありながら、ソウルやブルースをやらずに白人の仕掛けたニュー・ロックで人気を博した人で、このことから黒人と白人から平等に支持されていた(今ではあたり前ですが)当時としては比較的稀なアーティストでした。その為、政治的(思想的)に利用しようと動いていた組織もあったようです。彼は1970年9月にロンドンの自宅アパートで多量のドラッグの服用と飲酒により急死したと云われていますが、その死因は今でも判然としていません。

60年代には「YOU SEND ME」や「CUPID」等のヒットを持つ、これまた天才ヴォーカリストと云われたサム・クックが急死しています。彼は50年代から活躍していた人で、元々はゴスペルシンガーでした。この人の天才と云われた所以は、元来のゴスペル的説得性のある歌唱力と伸びやかな高音域、そして独特の歌いまわしにあります。これは恐らく天性のもので、当時としては誰にも真似の出来ない独特のものでした(ロッド・スチュワートは彼の信奉者で、その歌唱法にかなり影響を受けている)。

彼は1964年12月にロサンゼルスのモーテルでその支配人に射殺されました。これは、彼が売春婦に暴力を振るっていて手に負えないので仕方なく射殺したとのことですが、その状況と真相は未だに不明です。一説には、サムは公民権運動(当時のアメリカ黒人の公民権を得る為の運動)の活動家としてキング牧師と共に強力な指導的立場にあったマルコムXを支持し、かなり接触していたと云います。このキング牧師とマルコムXは共に暗殺されていて、この暗殺はKKK(クー・クラックス・クラン、白人優越主義者による黒人弾圧組織)によって行われたと云われていますが、政府関連組織の陰謀との説もあるのです。この連鎖で想像するに、人気シンガー故に一般大衆への影響力はかなり有り、彼もまた暗殺されたのでは・・・・というのが“当たらずとも遠からず”なのかも知れません・・・・
マイケル・ジャクソンは、ソングライターとしてもメッセージ色の強い曲を発表しており、特に有色人種の差別に関してはかなり強力にプッシュしていて、「BLACK or WHITE(91)」ではその主張を鮮明に打ち出しています。彼は“KING of POP”などと呼ばれ、名実共に世界のスーパースターでした。やはり一般大衆へのその影響力は大きいのでしょうな。

ところで、マイケルを含む上記4人の共通点は、時代の寵児でありスーパースター、そして、ナイーブさ故にそのスーパースターの幻想と現実のビジネス間のギャップに苦しみ、我々には想像もつかないアメリカの人種差別の壁に悩み、挙句にドラッグや酒に溺れ、はたまた政治的(思想的)事柄に興味を注ぎ、自らの心の救いを求めるという一つの共通した図式が見えてくるのです・・・・・・。
いやはや、やはりマイケルもスーパースターであるからこその悲劇で、いわゆるアクシデンタル・スィサイド(事故的自殺)だったのでしょうか
では、また次回・・・・・。
 

Back Number ⇒
09.6.1709.5.1609.4.1609.3.1609.2.1609.1.1908.12.1608.11.1608.10.1608.8.2508.7.16
08.5.1608.4.1608.3.1608.2.1608.1.1607.12.1607.11.1607.10.1605.4.1605.3.1605.2.16
05.1.1604.12.16 04.11.1604.10.1604.9.1604.8.1604.7.1604.6.1604.5.16